農菓対談
対談:はくいのぶどう
「ベルンのママ」が作った「すけすけぶどう大福」は、道の駅のと千里浜の人気商品です。その素材となった羽咋産ぶどうの生産者・砂山さんにお話をお伺いしました。
無農薬で作るとどんな味になるんだろう
ぶどうの産地であるフランスやカリフォルニアは雨が少なく乾燥しています。
逆に日本は高温多湿。ブドウは雨に濡れると葉っぱが縮れて枯れてしまうこともあります。
ぶどうは実がつくまで3年、満足いくできの実がつくには7年ほどかかります。
果物の糖度をあげるために特別な肥料は必要ないんですか?
いま実験中ですが、逆に特別な肥料は必要ないのではないかと思います。
糖度の鍵は葉っぱなんです。ひとつの房に葉っぱを10枚ぐらい。甘くするには木を元気にして葉っぱも育つと甘くなります。
そして農薬を使うとどうしても味に雑味がまじる気がします。
例えばこの安芸クイーンはルビーロマンと食べ比べをしたら、甘さも食味も上だという人が多い。
感覚的に分かってきたのは、窒素分が増えると味がおかしくなるとか蟲が増えるとか病気になるとか。
窒素分が増えると木の軸も太くなるのがわかっています。
この木は充分太くなっているので、化学肥料を与えなくても充分に畑に窒素分は足りているんです。
ぶどうには大きく分けてヨーロッパ系とアメリカ系と雑種の3種類。
ヨーロッパ系は日本の気候に合わない。高温多湿でうどんこ病になってほとんど捨ててしまったものもあります。ぶどう畑を引き継ぐにあたって、無農薬で作るとどんな味になるんだろうという興味を持ったのが始まりなんです。
地面がふわふわですね。
もともと砂地なので肥料分がありません。
いま、細かく砕いた広葉樹チップやワラを大量にいれて土作りをしていますが、まだまだかな。
目指すのは雑木林ですね。自然の雑木林のように落ちた枝や葉がゆっくり肥料に変わって育つのが理想ですね。来年再来年になれば形になってくると思います。