農菓対談
余計なことをしすぎないのがいいのかもしれないですね。
風通しのいい開放的なビニールハウスですね。
高温多湿が病気の原因なので、今年は実験的にビニールで密閉するのをやめました。雨除けの屋根だけですね。晴れてる日は屋根も巻き上げてしまいます。
心配なのは虫や鳥やモグラなどの小動物ですが、共存共栄でいきたいんです。
ところがね、なぜか消毒しなくても虫は減ってきました。逆に防鳥ネットを張ると虫が増えるんです。
つまり食物連鎖が働いているのではないかと。
余計なことをしすぎないほうがいいのかもしれないですね。
ビニールの覆いを外したことで違いはありますか?
ハウス栽培では通常5月中頃に花が咲いて受粉をしますが、気温が重要で、16度以下になると受粉しません。そして受粉して中に種が入らないと粒が大きくなりません。
寒い日があると受粉した粒としていない粒が混ざって同じ房でも大きさにばらつきが出ます。
今年はビニールの覆いを外しているので、2週間ほど開花を遅らせましたが6月に入って急に寒い日があったので受粉が成功したか心配です。
いま、地産地消をテーマにブドウを使ったお菓子の試作をしています。
でも、ブドウがそのままお菓子に入っているものと違い、試作用に頂いたブドウピューレを使って作ると実物を食べたときの味わいが出ないんです。
甘みが少ないのか味が引き出せない。主張しないんですよね。
ヒントになるかわかりませんが、うちのブドウをスロージューサーで絞ったジュースは普通のブドウジュースと違うんですよ。
食物乾燥機もあるので、レーズンなんかも実験していますが、その中でも、半生に仕上げたブドウは新しい食文化になりそうな味わいです。
ただ、試しにその場で食べてもらうだけならいいんですが、商品化にはいろいろ設備投資が必要なんですよね。